溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
「は~うかまった。また作ってくれるか?」

「もちろん。いつでも!」

 食べ終わった食器を和也くんが運んでくれる。

 彼が片付けをしてくれるって言ったけれど、手持ち無沙汰なので結局ふたりでした。和也くんは家事をやらないと思っていたけれど、片付けの手際がよくてちょっと驚く。

 その流れで彼がコーヒーを淹れてくれた。

 それを持ってふたりでリビングのソファに並んで座る。

「今度は紅茶用意しておく」

「うん。でもコーヒーも嫌いじゃないよ。和也くんが淹れてくれるならなおさら」

「これくらいなら、いつでも」

「ありがとう。じゃあわたしもまたお料理作るね」

 あわよくば一生彼にお料理を作れる立場でいたいな。

 また新たな夢ができてしまう。彼といるといつもそうだ。もっともっと、と欲張りになって満足することなんてない。

「なに、考えてるんだ?」

「いや、ここ最近少しずつ夢が叶ってるなって」

「夢って?」

 和也くんはコーヒーを飲みながらわたしに尋ねた。

「和也くんと、あれこれしたいっていう夢。今日は三つも夢が叶った。家族に紹介してもらって、お部屋におじゃまして、手料理を食べてもらって」

「なんだそんなことか」

 和也くんは笑ったけれど、わたしにとってはうれしいことなのだ。

「こんなに幸せでいいのかなって、思っちゃう」

 事実時々夢じゃないのかと思ってしまう。瑠衣なんて最初はまったく信じていなかったし、自分でもなかなか実感が持てない。

「そんなこと言うんだな。まあでも、お前が幸せなら俺は満足だよ」

 彼の気持ちが伝わってきて、胸が高鳴る。だからこそもう一度聞いておきたい。これが夢じゃないんだって、実感するために。

「本当に和也くんは、わたしでいいの?」

 わたしの言葉に和也くんは笑った。
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