溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
「これまで何年俺のこと追いかけ回してきたんだよ?」

 だからこそなのだ。こんなにうまくいっていいのかなと思ってしまう。実際につき合うことになって完全に怖じ気付いてしまった。

 和也くんはわたしの不安な気持ちに気がついてくれたようだ。

「たしかに、ずっと待たせたこと、悪かったと思ってる。今更……と思われても仕方ない。だけど瑠璃が近くにいると肩の力が抜けるって言うか、素の自分に戻れるんだ。それはもうずっと昔からだった。だからずっとずるずるお前の気持ちに甘えてきた」

 和也くんはそこで言葉をきって、手に持っているマグカップに視線を落とす。

「ちょうどそのタイミングで実家のゴタゴタがあって、疲れたまま出勤しても、いつも変わらない瑠璃を見るとそれだけでほっとした。周りがどんどん変わっていく中で、瑠璃だけが変わらないでいてくれた。だから安心できたんだ」

「そんなこと……だったの?」

「そんなことって言うけど、俺がリラックスする相手は瑠璃だけ。瑠璃じゃないとダメなんだから、もう他の女なんかどう考えても無理だろ」

 和也くんは視線を上げて、まっすぐにわたしを見つめた。

「俺以上に俺のことを理解しているやつ、瑠璃以外にこの世のどこを探してもいない。俺にとって瑠璃は唯一無二。他に代わりなんていないんだ」

 まっすぐな気持ちが痛いくらいに胸に響く。わたしはじっと和也くんを見つめる。

「だから、怖がらずに俺のものになればいい」

 彼の手が伸びてきて、優しくわたしの頭を撫でた。そしてその手が滑るようにして頬にそえられる。

 その大きな手から伝わる温かさが心地よい。

「なんだか……実は今まで色々と妄想というか、想像してきたんだけど。そのどんな想像よりも和也くんが素敵で困ってる」

 はははと、彼は笑う。わたしもつられて笑った。

「しっかり俺の気持ち伝えてないと、他の男がちょっかい出すといけないからな。君島もなんだかんだで、瑠璃への気持ちは本気っぽかったからな」

「それは、気のせいだよ」

 慌てて否定する。

「まあ瑠璃があいつになびくとは思えないけどな」
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