溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
そして二日後。
山科家のリビングにはスーツ姿の和也くんと緊張した面持ちの山科家の人々がいた。
普通緊張するのは和也くんのほうだと思うけど、彼にはまったくそういった様子がなく堂々としている。
こういうところが、カッコいいな。
親の前だということも忘れて思わずにやけそうになる。
「遅い時間にお邪魔して申し訳ありません」
話を切り出したのは和也くんだ。彼が頭を下げたのでわたしも合わせて頭を下げる。「お話は瑠璃さんからお聞きかと思いますが、彼女と一緒に暮らすお許しをいただきたく本日はご挨拶に参りました」
和也くんの言葉に、父はなにも言わずに口をつぐんだままだ。
そんななか母が代わりに口を開く。
「あらやだ。ご丁寧にすみませんね。今時同棲くらいでわざわざご挨拶だなんて。お茶どうぞ」
笑いながら場を和ませようとする。父以外女性ばかりの山科家はどちらかというと母の意見が通ることが多い。今回もそのパターンだろう。
そう思ったのだけれど……。
「母さん、同棲〝くらい〟って言うのは、私は納得できないな」
いきなり否定的な意見を言った父に、家族全員が驚く。しかしそんな周りをよそに、父は和也くんに問いかけた。
「同棲はなんだか責任逃れのような気がするな。いいところだけとって、面倒なことから目を逸らしているんじゃないのか?」
「やだ! お父さんったら、いったいなに言い出すの?」
母が慌てて止める。
「今時責任取れだなんて、時代錯誤よ」
瑠衣も加勢してくれた。
しかしいつもなら、家族に強く言われると「そうか」と自分の意見を引っ込めることの多い父が、今日に限っては引く様子がない。
「時代錯誤でもなんでも、納得できないものはできない」
「お父さん……」
こんな頑なな父を見たのははじめてだ。母も驚いているらしく言葉が出ないようだ。
「仰る通りです。本来ならばこういったご挨拶は結婚の際にするべきだと思います。同棲という中途半端な状態で、私にお嬢さんを預けるのはご心配になるのも無理もないことです」
山科家のリビングにはスーツ姿の和也くんと緊張した面持ちの山科家の人々がいた。
普通緊張するのは和也くんのほうだと思うけど、彼にはまったくそういった様子がなく堂々としている。
こういうところが、カッコいいな。
親の前だということも忘れて思わずにやけそうになる。
「遅い時間にお邪魔して申し訳ありません」
話を切り出したのは和也くんだ。彼が頭を下げたのでわたしも合わせて頭を下げる。「お話は瑠璃さんからお聞きかと思いますが、彼女と一緒に暮らすお許しをいただきたく本日はご挨拶に参りました」
和也くんの言葉に、父はなにも言わずに口をつぐんだままだ。
そんななか母が代わりに口を開く。
「あらやだ。ご丁寧にすみませんね。今時同棲くらいでわざわざご挨拶だなんて。お茶どうぞ」
笑いながら場を和ませようとする。父以外女性ばかりの山科家はどちらかというと母の意見が通ることが多い。今回もそのパターンだろう。
そう思ったのだけれど……。
「母さん、同棲〝くらい〟って言うのは、私は納得できないな」
いきなり否定的な意見を言った父に、家族全員が驚く。しかしそんな周りをよそに、父は和也くんに問いかけた。
「同棲はなんだか責任逃れのような気がするな。いいところだけとって、面倒なことから目を逸らしているんじゃないのか?」
「やだ! お父さんったら、いったいなに言い出すの?」
母が慌てて止める。
「今時責任取れだなんて、時代錯誤よ」
瑠衣も加勢してくれた。
しかしいつもなら、家族に強く言われると「そうか」と自分の意見を引っ込めることの多い父が、今日に限っては引く様子がない。
「時代錯誤でもなんでも、納得できないものはできない」
「お父さん……」
こんな頑なな父を見たのははじめてだ。母も驚いているらしく言葉が出ないようだ。
「仰る通りです。本来ならばこういったご挨拶は結婚の際にするべきだと思います。同棲という中途半端な状態で、私にお嬢さんを預けるのはご心配になるのも無理もないことです」