溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
「あっ」
「もしもし、君島です」
気がついたときはもう遅かった、すでに君島先生は電話に出てしまっている。
「あの、ちょっと……」
慌てて止めようとするけれど、君島先生は唇に人差し指を当てて〝シー〟というジェスチャーを見せ、わたしは素直にそれに従ってしまう。
「ええ、今。もちろん一緒にいますよ。あ、でも彼女、先生の電話には出たくないんじゃないかな。はいはい。わかりました」
にこやかに会話を終えた君島先生は、わたしにスマートフォンを差し出した。
「あの、なに話したんですか?」
「ん? いいから、いいから。ほら、デザート食べよう」
「あの、君島先生?」
焦るわたしと違って、君島先生は先ほど届けられたばかりのゆずシャーベットを美味しそうにほおばる。
「いいから食べて、早くしないと……ああ、思ったよりも早かったな」
君島先生が苦笑いを浮かべながら、視線をわたしの後ろに向けた。
「え……どうして……」
そこには肩で息をしている、和也くんがいた。
「どうしてもこうしてもないだろ。お前がこいつと一緒にいるって聞いたから、急いで来たんだろ」
「焦って来たんですよね。瑠璃ちゃんが大事だから」
「当たり前だろう。それと、お前は瑠璃ちゃんって軽々しく呼ぶな!」
突然のことでなにが起こったのかわからない。
「わたしのこと……大事って本当?」
「いや、だからなに言ってるんだよ。そうじゃなければこんな無様に追いかけてくるかよ」
その言葉を聞いた途端、わたしの目から涙がポロポロこぼれだした。
「おい、どうした?」
「どうしたって……それは和也くんが……」
「ああそうだな。悪かった。だから泣くな」
「もしもし、君島です」
気がついたときはもう遅かった、すでに君島先生は電話に出てしまっている。
「あの、ちょっと……」
慌てて止めようとするけれど、君島先生は唇に人差し指を当てて〝シー〟というジェスチャーを見せ、わたしは素直にそれに従ってしまう。
「ええ、今。もちろん一緒にいますよ。あ、でも彼女、先生の電話には出たくないんじゃないかな。はいはい。わかりました」
にこやかに会話を終えた君島先生は、わたしにスマートフォンを差し出した。
「あの、なに話したんですか?」
「ん? いいから、いいから。ほら、デザート食べよう」
「あの、君島先生?」
焦るわたしと違って、君島先生は先ほど届けられたばかりのゆずシャーベットを美味しそうにほおばる。
「いいから食べて、早くしないと……ああ、思ったよりも早かったな」
君島先生が苦笑いを浮かべながら、視線をわたしの後ろに向けた。
「え……どうして……」
そこには肩で息をしている、和也くんがいた。
「どうしてもこうしてもないだろ。お前がこいつと一緒にいるって聞いたから、急いで来たんだろ」
「焦って来たんですよね。瑠璃ちゃんが大事だから」
「当たり前だろう。それと、お前は瑠璃ちゃんって軽々しく呼ぶな!」
突然のことでなにが起こったのかわからない。
「わたしのこと……大事って本当?」
「いや、だからなに言ってるんだよ。そうじゃなければこんな無様に追いかけてくるかよ」
その言葉を聞いた途端、わたしの目から涙がポロポロこぼれだした。
「おい、どうした?」
「どうしたって……それは和也くんが……」
「ああそうだな。悪かった。だから泣くな」