溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
 慌てて止めに入ろうと立ち上がる。そのときに痛い方の足を使ってしまった。

「痛いっ」

「瑠璃っ、大丈夫か!?」

 和也くんは男を掴んでいた手を離して、駆け寄ってくる。

「瑠璃、瑠璃」

「わたしは大丈夫、昔怪我したところだから」

「ダメだ、見せろ」

 和也くんはわたしの足を確認しはじめた。

「それより、あの人逃げちゃう」

 和也くんの背後にいた男は、尻もちをついていたが立ち上がろうとしている。

「そんなのは、どうでもいい。俺にとって瑠璃より大事なものなんてないんだから」

「和也くん……」

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