溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
 翌日。夕方の山科家の食卓には母特製のローストチキンとサラダ、ミネストローネ、ラザニア、それに加えてわたしが作った生クリームたっぷりのケーキが並んでいた。

「わ~おいしそう! さすがお母さんとお姉ちゃん」

 早番の勤務を終えて帰宅した瑠衣が感嘆の声をあげている。わたしが作ったケーキも我ながら上手にできたので、褒められてうれしい。

「瑠衣、あなたもちょっとは、料理しなさいよ。ほんといつまで経っても食べるの専門なんだから。あら、その包みはなに? プレゼント?」

 ブツブツ文句を言いながら取り皿を並べていた母が、瑠衣が手にしている荷物を指さした。

「ああ、これ。さっき宅急便で届いたの。お姉ちゃん宛。差出人は……中村和也。ああ、中村さんからだ」

「えっ! ちょっとそれを早く言ってよ!」

「あ~ごめんごめん、すっかり忘れてた」

 舌を出しながらわたしに包みを差し出した。

「ねえ、きっとクリスマスプレゼントだよね。開けてみてよ」

「いいわね。お母さんも見たいわ」

「やっぱり、そうかな」

 女三人がリビングで包み紙を開けている姿を、父は遠くからチラチラ見ている。

 綺麗にラッピングされた包みを開けると、わたしでも知っている有名ブランドの箱が出てくる。

「え~さすが大病院の御曹司だけあるね。中身なに? 早く開けよう」

 わたしよりも瑠衣のほうが興奮している。急かされるようにして箱を開けるとそこにはわたしの名前と同じ瑠璃色のドレスが入っていた。
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