溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
「お待たせ。遅くなってごめんね」

「いや俺も今来たところだし、それに急だったしな」

「いつ出張から戻ったの? 部屋で待ってたのに」

「昨日の深夜。今日に間に合ってよかった」

 和也くんは一歩引いて、わたしの姿をじっくり見ている。

「どうかな? 変じゃない」

「あ? 変なわけないだろ。俺が選んだんだから」

 不服そうに目を細めた後、すっとわたしのところに寄ってきて耳元で囁く。

「よく似合ってる、かわいいよ。誰にも見せたくないからすぐに部屋に連れていきたい」

 その甘い囁きに、体温が一気に上がる。

「ねえ、本当にそういうのやめて」

 つき合いはじめてからの彼はわたしを本当に甘やかす。

 けれどわたしは以前の彼とのギャップにまだ慣れないままだ。

「そうやって恥ずかしがるから、もっとしたくなる。まあ、そんなことしてたら食事の予約の時間に間に合わなくなるから行こうか」

 そっと差し出された腕に、わたしは戸惑うことなく自分の腕を絡める。

 そしてそのまま最上階にあるレストランへ向かった。

 案内されたのは、白を基調とした個室。スタッフに椅子を引いてもらい座る。ほどなくして、運ばれてきたロゼのシャンパーニュで乾杯した。

 アミューズからはじまり、オマール海老と白トリュフを使ったリゾット、甘鯛のグリル、仔羊のローストにはトリュフを使ったソースが添えられていた。

 お待ちかねのデザートも素晴らしかった。

 アヴァン・デセールのブラマンジェからはじまり、マスカルポーネやショコラを使ったクリスマス用の華やかなスイーツが運ばれてくる。そしてワゴンで運ばれてきた色とりどりのショコラやフルーツ、ケーキたち。並んでいるそれらはまるで宝石のように美しく思わず声をあげてしまった。

「はぁ……こんな夢みたいなクリスマスはじめて」

 きらめくシャンデリア、美味しいお酒に料理。そしてなによりも大好きな和也くんが目の前にいてくれる。
< 152 / 156 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop