溺愛全開、俺様ドクターは手離さない
「瑠璃、これ」

 差し出されたのは赤いバラの花束だ。後ろ手に隠していたものが差し出された。

「わぁ、綺麗。これもクリスマスプレゼントなの?」

 大きなバラの花束に感動する。これまでこんなに大きな花束をもらったことはない。

「いや、違う」

「え?」

 クリスマスプレゼントじゃないなら、なんだろう?



「瑠璃、結婚しよう」



「……っ」

 和也くんの綺麗な瞳がわたしを射抜く。その瞳にはわたしへのまっすぐな気持ちがこもっているように感じた。

 彼らしい短いプロポーズの言葉。けれどその重みは誰よりもわかる。

「長い間、ずっと待たせてきた。振り返るといつも瑠璃がいた。たくさんつらい思いをさせたぶん、これから先の人生はずっと俺の隣で笑顔でいてほしい」

 返事をしなきゃいけないと思って、口を開こうとする。けれどうまく言葉にならなくて、唇が震えた。

 それと同時に彼と出会った日からこれまでのことが、次々に思い浮かんできた。

 はじめて出会ったとき、再会したとき、彼の連絡先を手に入れたとき、はじめて送ったメッセージ……。

 そしてわたしの思いが届いてからも、はじめての連続だった。

「瑠璃、返事は?」

 あまりにもわたしがなにも言わないので、和也くんがしびれをきらしたようだ。
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