あの丘で、シリウスに願いを
「まこと、なんて呼び捨てして。ベリヒルのお前の部屋に泊めて。俺から見れば答えは出てると思うけど。二人の会話もいつもテンポよくて、すごく楽しそうだし」

「まことが望んでいるのは、疲れた時や辛い時に頼れる存在なんだよ。俺たちが抜けて、小西が頼りになるとは思えない。この救急外来とまことのこれからを考えると悩むよ」


「だから、そうじゃなくて。好きなんだろ、六平先生のこと」
なかなか認めない翔太がじれったく、水上はズバリ尋ねた。

「洸平、俺は一条の人間だ。自分の感情だけで動いたりしてはいけないんだよ」
「…!」

自分の感情を押し殺し、冷たく拒絶する。こんな翔太を見たのは久しぶりだ。一条の家が絡むと翔太は劣等感ゆえに、己の全てを犠牲にしようとする。やりたいことも好きなことも。
そして、おそらくは、愛する人さえ手放してしまうだろう。







その時だった。

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