あの丘で、シリウスに願いを


「…あれ?」
「あ、まこと先生、気がつきました?大丈夫ですか?」

患者の処置中に、急にクラクラとめまいがしたことは覚えている。おそらくは貧血。先日から生理が始まったせいだと思う。

「迷惑かけて、ごめんなさい。もう大丈夫」
「でも、点滴あと10分くらいで終わりますからもう少し横になってて下さいね」

壁の時計を見ると、二時間近く眠っていたようだ。だが、おかげで頭はスッキリしている。

「あ、起きた?六平先生に無理させすぎてしまったね。ごめんね。今日はもう帰っていいよ。ゆっくり休んで体力回復して。
あとで柊子に栄養ありそうなもの届けてもらうから、食事もちゃんと取るんだよ?」

まことが気づいたと知って水上が様子を見に来てくれた。

「ご迷惑をおかけして、すみませんでした」
「心電図に異常はなかったし。もうすぐ血液検査の結果が出るから、それ見てから帰ろうか」

今は点滴のおかげで一時的に良くなっているだけ。無理せず今日はこのまま帰って休んだ方がいいと、自分が一番わかっている。


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