あの丘で、シリウスに願いを
「気がついたって?」
水上が知らせたのだろう。しばらくして翔太がやってきた。
「ご迷惑をおかけして、すみません」
「全くだよ。患者の処置中に倒れるなんて。患者にもしものことがあったら、どうする?」
いつもの翔太じゃない。険しい表情でまことを叱る。
「すみません。以後気をつけます」
「まこと、我々の仕事に『以後』はない。些細なミスも許されない。人の命を預かるとは、そう言うことじゃないか?」
「…はい」
翔太は手にしていた紙をまことに見せる。血液検査の結果だ。
「今の君なら説明は要らないよね?こんな状態の君をここに置いておくわけにはいかない」
翔太は白衣の胸ポケットから銀色のシリウスを取り出すと、悪い結果に次々とチェックを入れていく。そして、紙の余白にバツ印を大きく書かれた。
「バツ印…ですか」
「まこと。君をこんなに追い詰めたのは、上司である俺の責任でもある。だから、配置転換も視野に今後のことを考えることにするから。
君はよく頑張った。これからはもっと自分をいたわりなさい」
いつもの軽口ではない。上司らしく厳しい口調でそう告げると翔太はまことをそのままに、出て行った。
残されたまことは、検査結果に目を落とす。翔太が怒るのも無理はない。自己管理が出来ていなかった。でも、配置転換なんて嫌だ。
シリウスに、バツ印を書かれた検査結果の紙を握りしめながら、まことは頭を抱えた。
水上が知らせたのだろう。しばらくして翔太がやってきた。
「ご迷惑をおかけして、すみません」
「全くだよ。患者の処置中に倒れるなんて。患者にもしものことがあったら、どうする?」
いつもの翔太じゃない。険しい表情でまことを叱る。
「すみません。以後気をつけます」
「まこと、我々の仕事に『以後』はない。些細なミスも許されない。人の命を預かるとは、そう言うことじゃないか?」
「…はい」
翔太は手にしていた紙をまことに見せる。血液検査の結果だ。
「今の君なら説明は要らないよね?こんな状態の君をここに置いておくわけにはいかない」
翔太は白衣の胸ポケットから銀色のシリウスを取り出すと、悪い結果に次々とチェックを入れていく。そして、紙の余白にバツ印を大きく書かれた。
「バツ印…ですか」
「まこと。君をこんなに追い詰めたのは、上司である俺の責任でもある。だから、配置転換も視野に今後のことを考えることにするから。
君はよく頑張った。これからはもっと自分をいたわりなさい」
いつもの軽口ではない。上司らしく厳しい口調でそう告げると翔太はまことをそのままに、出て行った。
残されたまことは、検査結果に目を落とす。翔太が怒るのも無理はない。自己管理が出来ていなかった。でも、配置転換なんて嫌だ。
シリウスに、バツ印を書かれた検査結果の紙を握りしめながら、まことは頭を抱えた。