あの丘で、シリウスに願いを
翌朝。

「おはようございます。昨日はご迷惑をおかけしました」
「六平先生大丈夫?」

いつも通りに出勤したまことに、水上が心配そうに声をかけた。

「大丈夫です。柊子さんが常備菜を何品も作って持ってきてくれました。美味しかったです。助かりました、ありがとうございます」
「食べてくれて良かったよ。無理してはダメだよ」
「はい」

笑顔でまことがうなづいた時。

「六平先生」
「…?」

まことを呼んだのは翔太だ。いつもみたいに『まこと』ではなく苗字で呼ばれたこと、そして見たこともないほどの険しい表情に、ただならぬ不安を覚えた。

「部長室に」
「…はい」

その場の空気がピンと張り詰めるほどのオーラを放つ翔太。学生時代からの親友である水上でさえ、こんな彼を見たことはなかった。


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