あの丘で、シリウスに願いを
「花マルかぁ。親父殿がやりそうだ。
その花マルのご褒美って、何だったの?」
「家族全員での野球観戦です。いつも、テレビ中継しか見れない田舎ですから、野球場の臨場感が最高に楽しみだったんです。半年後はシーズンオフですから花マルもらえてもご褒美はなくて。
私、高校生まで激しい運動は禁止。体育も見学。運動が出来ない分、本を読んで勉強して。
花マル貰うために頑張ってたんですよ。
私にとって、花マルを書いてくれるこのボールペンは特別なんです。
だからベリーヒルズでこのボールペンに出会えた時、嬉しかった。迷わずに買いました」
「…花マルのボールペンか。いい話だな。
この『シリウス』を作っている大星堂は、20年前に存続の危機にあってね。一条グループの傘下に入ることで生き残ったんだ。色々あったけど…」
驚いたことに、翔太の目に涙が滲んでいた。
その花マルのご褒美って、何だったの?」
「家族全員での野球観戦です。いつも、テレビ中継しか見れない田舎ですから、野球場の臨場感が最高に楽しみだったんです。半年後はシーズンオフですから花マルもらえてもご褒美はなくて。
私、高校生まで激しい運動は禁止。体育も見学。運動が出来ない分、本を読んで勉強して。
花マル貰うために頑張ってたんですよ。
私にとって、花マルを書いてくれるこのボールペンは特別なんです。
だからベリーヒルズでこのボールペンに出会えた時、嬉しかった。迷わずに買いました」
「…花マルのボールペンか。いい話だな。
この『シリウス』を作っている大星堂は、20年前に存続の危機にあってね。一条グループの傘下に入ることで生き残ったんだ。色々あったけど…」
驚いたことに、翔太の目に涙が滲んでいた。