あの丘で、シリウスに願いを
まさか、ボールペン一つで涙するくらい熱いものを持っていたとは。
一条の一族であることは、決して楽な人生ではないことも垣間見れた。


一条翔太。まことの上司はどうやら見た目通りの昼行灯ではないようだ。


翔太は涙を拭い、ふうっと一つ息をついて落ち着きを取り戻した。

「今日はやけに穏やかな日だね。溜まっていた雑用を片付けなきゃなぁ」
「ほとんど毎日出勤してるのに、仕事溜まっているんですか?」
「うぐっ…痛いところ突くね」
「信じられません。翔太先生、プライベートな時間あるんですか?」
「あるよー。女の子とデートするくらいの時間ならいくらでもあるよー。
まこと先生や洸平が働いてる間に充分休んでるから。まこと先生は優しいね、心配しないで」


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