君の腋を舐めたい



霊視刑事 星野ヨシヒト
********************************************



関本主任に連行してきてもらった取調室。

僕はその横に立って、
豊川さんはその前に座って。

嫌味たっぷりな口調で、
まずは豊川さんが切り出す。


「夜の店では“ドラえもん”と名乗っていたそうですね。

君のような異常者に名前を使われて、

藤子・F・不二雄先生が聞いたら嘆くでしょうね。」


「セイラはどこだ?」


「あの子は隔離しました。

ただ、勘違いしないで頂きたいのは“君の身を守る為”です。」


「どういう事だ・・?」


「[ドラえもんを問い詰めてやる。
あの女は誰だ?って。

なんで私じゃダメなの?
なんであんな貧乳女なの?]


狂ったように泣き出して、いきなり服を脱ぎだして胸を露出しようとしたので、

星野君が慌ててその場で“公然わいせつ罪”で逮捕しました。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「良かったですねドラえもん。

“客”と“嬢”。

本来は客が嬢にゾッコンになるはずなのに、

セイラさんは身も心もあなたの虜になってしまったようです。」


「・・・・・・・・・。」


「あまり彼女の事を悪く言いたくありませんが、

どうやら異常者は異常者のことを好きになるようです。

適当な理由をつけて先に君をお風呂場へ行かせて、その隙に財布から免許証を見て、

君の本名やセイズ署で働く警察官という情報を抜き出し、

ずっと・・あなたの事をストーキングするようになったそうです。」


「・・・・・・・・・・。」

< 145 / 159 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop