君の腋を舐めたい
霊視刑事 星野ヨシヒト
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関本主任に連行してきてもらった取調室。
僕はその横に立って、
豊川さんはその前に座って。
嫌味たっぷりな口調で、
まずは豊川さんが切り出す。
「夜の店では“ドラえもん”と名乗っていたそうですね。
君のような異常者に名前を使われて、
藤子・F・不二雄先生が聞いたら嘆くでしょうね。」
「セイラはどこだ?」
「あの子は隔離しました。
ただ、勘違いしないで頂きたいのは“君の身を守る為”です。」
「どういう事だ・・?」
「[ドラえもんを問い詰めてやる。
あの女は誰だ?って。
なんで私じゃダメなの?
なんであんな貧乳女なの?]
狂ったように泣き出して、いきなり服を脱ぎだして胸を露出しようとしたので、
星野君が慌ててその場で“公然わいせつ罪”で逮捕しました。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「良かったですねドラえもん。
“客”と“嬢”。
本来は客が嬢にゾッコンになるはずなのに、
セイラさんは身も心もあなたの虜になってしまったようです。」
「・・・・・・・・・。」
「あまり彼女の事を悪く言いたくありませんが、
どうやら異常者は異常者のことを好きになるようです。
適当な理由をつけて先に君をお風呂場へ行かせて、その隙に財布から免許証を見て、
君の本名やセイズ署で働く警察官という情報を抜き出し、
ずっと・・あなたの事をストーキングするようになったそうです。」
「・・・・・・・・・・。」