君の腋を舐めたい


―――――― 


不幸中の幸いは・・常に署の近くのホテルを取っていた事・・・!

ここからだったら私の方が早く到着できる事・・!!


「緊急車両が通ります。
ご協力ありがとうございます。

緊急車両が通ります。
赤信号に進入します。」


右手でハンドルを。
左手で拡声機マイクを。


開けてくれる道路をなぞるように、
突き進む・・・!




「・・・・・・・・!!?」


居た・・!!!!!

ビジネスホテルの駐車場の入り口が見えたその時、

フロント玄関に向かって、ぐったりしながら歩くリサちゃんと・・

それを支えながら一緒に歩く藤村の姿を捉えた!!


「!!!」


正規の駐車場なんて関係ない・・!

フロント玄関の前にビタ停めした瞬間に運転席から飛び出す。


その瞬間、視界には・・
エレベーターに乗り込む2つ分の人影。

体調不良が一目で分かるリサちゃんと・・

ニヤついた笑みを浮かべながらその体を支える藤村・・!!


「まだ間に合う・・!!」


宿泊している部屋は306号室。


“バンッ!!”

階段室の扉を乱暴に開けて、
一気に駆け上がる・・!!


エレベーターなんかに・・
負けてたまるか・・・!

この脚が負けてたまるか・・!!










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