お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
「この人だぁれ?」

薫さんを見て砂羽ちゃんがそうつぶやく。

「えっと……」

なんて答えればいいだろう。まさか本当のことは言えないし。友だちということにしておこ……

「初めまして。俺も美月お姉ちゃんと仲良くしているんだ。それで美月お姉ちゃんを迎えに来たんだよ」

「そうなの?」

「うん」

薫さんが砂羽ちゃんと目線を合わせるようにしゃがみ込んで優しいまなざしを向ける。そんな予想外の薫さんの行動に少し驚いた。

「じゃあお兄さんは美月お姉ちゃんの王子様なんだね。シンデレラも白雪姫もみんな素敵な王子様が迎えに来るでしょ?」

「そうだね。そして姫をちゃんと守るのが俺の役目ってところだな」

薫さんが砂羽ちゃんの頭を優しく撫でた。

「美月お姉ちゃん、カッコ良くて優しい王子様がいていいな」

ニコリと微笑む砂羽ちゃんがそう言って私の顔を見上げた。
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