お見合いから始まる極上御曹司の華麗なる結婚宣言
「また遊びに来てね」

「うん。また来るよ」

あれからしばらく砂羽ちゃんと話していた。人懐っこい砂羽ちゃんは、すぐに薫さんのことを気に入ったみたいで、いろいろ質問をしたり、おんぶや抱っこをしてもらっていた。

砂羽ちゃんが服を引っ張ったり、髪を触ったりしても薫さんは嫌な顔ひとつせずに砂羽ちゃんに優しく接していて、勝手に薫さんのことを子供嫌いだと思っていた私にとってそれは意外なことだった。

「これ、ふたりにあげる」

薫さんと私が帰ろうとすると砂羽ちゃんがさっき折り紙で作った四つ葉のクローバーをくれた。

「美月お姉ちゃんがピンクで、薫お兄ちゃんが水色ね。これを持って願いごとをしたらその願いごとが叶うんだよ」

「ありがとう。大切にするよ」

薫さんは最後まで砂羽ちゃんに対して優しいまなざしを向けていた。
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