君を輝かせるのは私だけ。
お風呂出て少し髪が濡れたままの祐真さんが私の背後にぴったりとくっついてる。

「…祐真さん、近い。」

「なんで?だめ?」

この祐真さんの距離の近さに頭を抱えている。

この人絶対計算してしてるし!

この前のは、…本気なのはいくら私でもわかる。

でも、だからこそこの距離感を遠慮してもらわないと。

じゃないと私が持たない。

…ちゃんとそういう関係にはなれません、

仲間でいさせてくださいって言わないとだよね?

…気が重い。

「…祐真さん、セクハラで訴えますよ。」

「…それはひどい!」

ようやく祐真さんが離れてくれる。

けんくんと街を散歩しただけでも刺すような視線を浴びるのに、

祐真さんと、なんて絶対に祝福されない。

祐真さんはやっぱり祝福される相手と一緒になってほしいし…

そうでないとって勝手に思ってる。

日本の宝がこんな小娘に…なんてあってはいけない。

少し前のトレーナーとの会話を思い出して、ため息をつく。

…周りから見たら私はそう見えるだろう。

私はいいけど、

祐真さんがそんなふうに見られるのは絶対避けたい。

「あお?聞いてる?」

仮に、仮にだけど、

私がどうなったら彼の隣にいていいって言ってもらえるんだろう。

普通の女の子、じゃだめかなぁ。

でも、やっぱり祐真さんが一般の方と結婚するってなっても自分は嫌悪感なんて抱かないと思う。

祐真さんが見つけた人、それだけで素敵な人なんだろうなぁと思うから。

じゃあやっぱり、普通の女の子かどうかでなく、

私は、

私自身が祐真さんの隣にいることを良しとしないんだなぁ。
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