君を輝かせるのは私だけ。

そのあとはなんとか専門に出て、

家に帰ってけんくんに事情を説明して、

いつも通りに勉強と仕事に集中する。

「…はぁ。もう一回会いに行く?でも、」

頭を抱える。

けんくんは、「そっか」と優しく頭を撫でてくれた、けど、

それで許された気になっちゃだめだ。

今はまだ注目されてないけど、

いずれ情報が漏れたらきっと、みんな彼の様に私に対して思うんだろう。

今、その感情をぶつけてもらってよかったかもしれない。

一気に何人もの人から向けられるより耐性が生まれる…と思う。

コネは事実だ。

だって蒼井健太の妹じゃなければ普通の大学生だった。

だから、もらったチャンスに答えて、

どうにか壁を乗り越えて証明するしかない。

私が必要って思ってもらわないと…

でも、新しい子探しは、また一から考え直しかな。

他にも会いたい人がいるからそちらにも挨拶に行かないと…

落ち込みたいのに落ち込む時間すらもったいないと感じるほどやりたいことはたくさんある。


奇跡を信じるしかない、か。

いや、奇跡なんて起こそうと思わないと起こせない。

「よし!」

私はある準備をする。

少しでも彼が成長できます様に。

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