君を輝かせるのは私だけ。
「俺、今までバレーにおいて嫉妬とかあんまりしてこなかったけど、今、君に嫉妬してるよ。」
「なんで。」
「は?だってそのノートを作れるすげぇ奴が自分で木村渉という存在を探し出して、自分からオリンピックを目指さないかって手を差し伸べてんだよ?あおは今、君しか目に入ってない。…まぁすぐまた俺一色にするけど。」
…いらないことまで言った自覚は大いにある。
「羨ましいよ、高校卒業と同時に彼女とオリンピックを目指せることが。だって絶対すげぇ成長できるから。」
俺が笑って言うのが新鮮なのか、
俺を凝視したまま、
「本気で、オリンピックの頂点って言ってるんですか」
「俺も健さんもあおもみんな本気だよ。」
まっすぐ彼の目を見て言う。
彼は、戸惑いながら、
「俺もそのメンバーになれますか」
「努力次第だけどあおの見立てだと君は俺を超えられるかもしれないってさ。…絶対越えさせねぇけど。」
「…宮本選手を超える…」
それからしばらく彼が黙ってると、
「さぁ、うちの妹をいじめてくれたクソガキに説教始めようか。」
と後ろから声が聞こえて、
2人して振り向くと、
笑ってないけど笑ってる健さん。