双子の貞子ちゃん 2
そして、カチャカチャと手首の手錠が外されようとしている。
手が使えない私は、視界を奪われたまま、大人しくじっとしていた。
「………遅くなって悪い。」
ぼそっと囁かれた声
後ろから微かに聞こえた声に、胸をドキンとさせながら返事を返す。
「…紅蓮のお姫様は、無事?」
「ああ、お前のおかげだ。」
終わった会話
無理に続けるのもどうかと思った。
今私は、横山さんの友達の弟としているのだから。
真っ暗な視界の中、カチャカチャと手錠を外す音だけに集中する。
……けど、一度フラッシュバックするとなかなかダメらしい。
視界がないからか、よけいあの光景が出てくる。