双子の貞子ちゃん 2
ガタガタと体が震えるのが分かる。
ダメっ…、収まって!
そう思えば思うほど、恐怖は加速していく。
「悪い、触るぞ。」
その声が聞こえたと同時に、体が温かいものに包まれた。
ビクッと大きく体が震える。
その後も、カタカタと震えは続いたけど、温かい温もりはさらに増す一方だった。
どのくらいそうしていたのだろう。
震えが止まり、今度は体の力が抜け、意識も遠のき始めていた。
「……おり」
このまま死んでもいい。
そう思えるぐらい、幸せな温もりだった。
「きぃさん!!!」
体の力が抜けたのが分かったのか、そばにずっといた樹が駆け寄る。
「湊、そのままでいい。俺がここ止血する。」