双子の貞子ちゃん 2
何で…ここに。
そんな心の声が聞こえたように、フッと笑って陽彩さんは伊織の止血を始めた。
「あー…、なんだ。まずは、携帯出てやれ。ずっと震えてんぞ。」
そう言われて、自分の携帯が鳴っていることに気づく。
『湊、予想通りこっちにも敵が来た。俺らだけでも何とかやってたんだけど、途中から大雅さんと凪さんが出てきて。…おかげ様で、あっさり終わったよ。後は来てもらってた警察の人たちに任せたよ。』
「大雅さんと凪さんが…。」
止血をしている陽彩さんを見れば、ニヤリと笑って、
「凪、楽勝か?」
「ハハッ、そうかよ。……ああ、怪我してるけど、大丈夫だろ。特効薬が側にいるからよ。」
ギュッと止血の布を縛り、俺を見る。
「湊、伊織を病院連れてくから運んでくれ。」
そう言って、伊織に被せてた俺の上着を伊織の肩にかける陽彩さん