双子の貞子ちゃん 2
「…でも、陽彩たちは大丈夫だったんだろ?連絡あったぞ。」
「はい、大丈夫でした。」
「なら、前みたいな生活はしなくても大丈夫だ。知らない人に対しては注意しとく必要があるけど。」
「はい。」
自分が弱くなってしまったように感じて、情けなく思った。
「陽彩に連絡しても良いか?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます。」
「伊織、お前は強くて綺麗で、仲間思いの良い子だよ。…でも、自分も大切にしてあげろよ。」
優しく笑って瑞稀さんは部屋から出て行った。
「自分を、大切に…。」
「おはよー樹」
「ああ、おはよ。」
律に顔も向けず、窓の外を眺めながら返事する。
「平和だね。」
前の席に座った律
体ごと窓に向け、風に靡いている。