双子の貞子ちゃん 2
割と道路からすぐのところに止まった謙吾さんに族から見えない位置で近寄る。
「謙吾さん、すみません!」
「伊織〜、相変わらず綺麗だな。」
「私、シノに謙吾さんのお手伝いをと言われてるんです。」
会話が成立しないのはいつものこと。
言いたいことをさっさと言わないと話が進まないのは長い付き合いで分かったこと。
「そうか。とりあえずは大丈夫だから、その辺に隠れて、一般人が来ない様見張っててくれ。」
「はい、分かりました。」
スーツ姿の謙吾さんが車から降り、未だに駐車場にとどまっている族に近寄って行く。
ブォンブォン
さっきの倍ぐらいのバイク音が鳴り響いた。
私は謙吾さんに言われた通り、側の木に隠れ、道路を見張る。