双子の貞子ちゃん 2






たまに見る華織の食事姿とはあまりに違う。

目の前に座る華織は、口いっぱいに詰め込み、手にするフォークはどれにしようか、うろうろしていた。




お母様はマナーに厳しかったため、華織は優雅に食べている印象だったが、今は年相応の食べることが大好きな女の子といった感じだ。










「ごめんね、伊織」



そう言った華織はフォークを震えるほど握りしめていた。



「…私が紅蓮に入ったこと、びっくりした?」


悲しそうに笑う華織
何でそんな顔しているの…。




「もちろん、驚いた。どういう経緯なのか知らないけど、…華織が楽しそうだったから。……楽しいなら大丈夫かなって。」




「うん、楽しかった。……でもね、きっかけは、伊織なの。」




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