双子の貞子ちゃん 2




「えっ、私?」



「うん。…ある日の夜中にね、伊織がバイクに乗って、男の子と帰ってきたのをたまたま見たんだ。」




「『彼氏かな?彼氏だよねきっと。』……そう思ったら、悔しくなっちゃって……。」




「決めたの。伊織より良い男の子と付き合うって。その時浮かんだのが、学校で騒がれてた紅蓮なの。みんなイケメンだし、彼女になって、紅蓮の姫にもなれたら伊織に勝てるって。」




そこまで言い切ると、ふっと自嘲するように笑った。





「でも、気づいたの。私、子供だって。……伊織に劣等感を抱くことすらおこがましいって。」




「伊織が羨ましかった…。頭が良いねって小さい頃から褒められて、必要とされて。」



「……私が長女なのに、会社は長女の私が継ぐのに何で。って、……知ってたのにね。伊織が努力してたこと。」







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