双子の貞子ちゃん 2
お嬢様ばかりの世界
裏での陰湿なやり取りが心配になる。
「…大丈夫?今までとは、違うと思うけど。」
「うん、それを乗り切ったら私強くなれると思うの。それと同時に、藤咲の名前を背負うことになる。……今まで私が経験しなかったぐらいの重責を。」
ちやほやされるだけのお嬢様にならない。
きっと、そういう決意だ。
「私ね、あの後たくさん伊織のこと考えてたの。……もう、好きになるしかないよねって思った。」
真っ赤な目で、にしっと笑う華織
「……あと、伊織の気持ち。やっぱり双子って同じなんだよ…、惹かれる人とか。」
ドキッとした。
「いっぱい喋って、ごちゃごちゃだけど。…伊織、今まで本当にごめんね。…これからは、伊織の好きなように生きてほしい。私は大丈夫、強くなるよ。」
グッと握り拳を作る華織は見たことないくらい、綺麗で、弱さを自分で乗り越えた。
そんな素敵な女の子だった。