双子の貞子ちゃん 2
「これ、菫さんに染めてもらってるんだよ。」
髪を一房持ち上げながら湊を見る。
「そうなの?」
「うん。似合うよって勧められた。」
そう言ったら湊が目を細めて優しい顔で見てるから、ピタッと固まってしまった。
「似合ってる。……天使、かと。」
"天使"
湊の口から出てこないようなワードに驚きつつ、そんなこと言われて恥ずかしくなる。
「そ、そんなこと言うんだ。」
「伊織にしか言わないし、思わない。」
照れる私にまたストレートに言う湊
心臓足りないっ!!
ぶかぶかの袖の途中にある手のひらで心臓を押さえる私
そんな私を見て笑う湊
「ドライヤー持ってくる。」
ブオォォとなり響くドライヤーと私の髪に触れる湊の手
落ち着け落ち着けと思えば思うほど意識してしまう。