双子の貞子ちゃん 2
「そう。普通の一般市民。…でも、引っかかる。」
パタンとパソコンを閉じ、真っ直ぐ俺たちを見る悠
「今日、見張りをしていて感じたのは、"手慣れてる"ってこと。」
「手慣れてるって、何に…?」
「昨日、男たちの監禁から逃れてきたなら、この男ばかりの場所にも多少抵抗があると思う。」
「…男の懐に入ろうとするのが垣間見えるんだ。本当に一瞬だけど、……スパイみたいな、そんな感覚。あと、華織が親しくしているところを見ると、危ない気がする。」
悠のいわば長年の勘だろう。
「ボロは出してないんだろ。」
「うん。華織と話してるのを聞いても全く疑問を持つとこはない。…だけど、やけに流暢で、堂々としてる。」
流暢ね…、確かにそれは俺も感じた。
「俺も下へ行く。」