双子の貞子ちゃん 2
「伊織、ちょっと良いか?」
段々と前のように皆と過ごせてきた。
皆とバイクに集まって話していると、凪さんが私を呼びに来た。
ついて行くと、シノとトラもいた。
「隠してても、しょうがないから言うぞ。」
トラが、はあと面倒くさそうな表情でそう言う。
「今、紅蓮のとこに柊琢磨の仲間がいるんだ。」
柊、琢磨…
「そいつらは男たちに監禁されていて、逃げ出したと言って、紅蓮の倉庫に逃げ込んだらしい。その時たまたま紅蓮にいた横山さんが、怪しいと感じて、紅蓮に見張らせてる。」
「まって、横山さん?え、横山さんが紅蓮にそうするように言ったの?」
「ああ、俺たちも知らなかったけど、昔、紅蓮の副総長やってたらしいぞ。」
えっ……
声にならないぐらい驚いた。
横山さんが紅蓮の副総長?
いや、待って、そこも気になるけど、もっと重要な…。
「…柊の仲間が紅蓮に近づいて何をするの。」
「柊組に行った時、紅蓮も一緒だったからな。その時の復讐か、あるいは、きぃに執着してんのか。」
どきんっと重く胸が鳴った。