双子の貞子ちゃん 2
一時思考が停止する。
「エロくなりたかったんだろうがよ。紅蓮のお姫サマよお?」
震える背後の気配が、ギュッと私の裾を掴んだ。
「……ごめんなさい。」
か細い声は、後悔しかない声だった。
「そいつをヤりゃ一発で藤咲伊織が出てくるらしいんだわ。」
そう言いながら、拳銃を取り出した。
「ガキは引っ込んでろ。」
「"藤咲伊織"はここにいる。」
「っ!ダメ!!伊織」
ダメダメと小声で訴える華織を無視して、続ける。
「最初から私に用なんだろ。」
ギュッと裾を握っている華織の手を離し、立ち上がる。
「ぁあ?お前が藤咲伊織?…笑わせんな。」
「証拠ならある。」
していたマスクを取り、片目を隠していた前髪をガッと上げる。