カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
困惑していると。

『清良の好みがわからないから、勝手に選んでしまったが。何か欲しいものがあったら言ってくれ』

そう提案され、清良はチャンスとばかりに耳元の端末を握りしめた。

「あの、もっと、安いもので大丈夫ですので! ……日頃使えるものとか、日用品などにしていただけませんか?」

『日用品?』

「えっと、たとえば……食器とか、エプロンとか……ふたりで使えそうなもの……とか」

自分だけプレゼントをもらうのは心苦しいが、ふたりのものであれば心置きなく使うことができる。

ウン万円のドレスを着るのは抵抗があるが、ウン万円の茶器で総司と一緒にティータイムを楽しむのだと考えれば、それはそれでアリだろう。……そんな日が訪れるかどうかは別として。

「ドレスやアクセサリーは、素敵なんですが使う場面がなかなかないので。できれば普段使いできるものを……」

本音を漏らすと、総司はクスリと小さく笑った。甘い吐息が耳に届き、清良の鼓動は速度を増す。

『わかったよ。小心者な清良が気兼ねなく使えるものだな』

からかわれてしまったが、意図は伝わったらしい。

よろしくお願いします、と清良は座ったまま腰を四十五度に折る。

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