カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
総司の名前にピクリと反応する。仕方なく、北村の後についてカフェに向かった。

主要な駅には必ずあるような有名コーヒーチェーンにふたりは入る。一杯三百円程度。

清良はホットのモカを頼み、北村はとりあえずといった感じなのだろう、一番安いドリップコーヒーをオーダーする。

若い客たちで賑わう店内。夕食時であることが逆によかったのか、ポツポツと席が空いていた。

少し奥まったところにある二人がけのテーブルを選び、向かい合って座る。

「さっそくだけど」

そう前置きした北村がビジネスバッグの中から取り出したのは、二枚の紙切れだった。

新聞でも印刷したのだろうか。視認性の悪い黒い文字がびっしりと並んでいる。

しかし、ひと際大きな文字で、清良が息を呑むような内容が書かれていた。

『城ケ崎財閥の御曹司、カジノで浪費! 五十億超え』

『美女をはべらせ夜な夜なパーティー! 若き経営者の派手過ぎる私生活』

新聞ではなく週刊誌だと気づき、清良はげんなりとした。ゴシップってやつだ。

どうやら総司は、週刊誌に話題を提供するほどの有名人だったらしい。それもそうか、とすぐ腑に落ちたけれど。

< 105 / 262 >

この作品をシェア

pagetop