カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「これは城ケ崎さんじゃなくて、女性側のスキャンダル記事。資産家と熱愛って書いてある」

「……元カノのひとりやふたりくらい、当然いるでしょう。何の問題があるんですか」

「天羽さんは、この女優さんに勝つ自信があるの?」

北村の眼差しが痛くて、咄嗟に目を逸らした。

この写真を見て胸が痛んだ理由がわかった。このふたりがあまりに似合い過ぎているからだ。

このもやもやとした気持ちは、きっと劣等感だろう。

「……勝つもなにも。どうして勝負しなければならないの?」

せめてもの虚勢を張る。

北村にこの写真を持たせて清良のもとに送り込んだのは、十中八九鞠花だ。

最後の切り抜きを見てはっきりとわかった。不釣り合いだというメッセージだろう。

これ以上、鞠花の嫌がらせに付き合ってやる義理はない。清良は飲み終えたマグを持って席を立とうとする。

「待って! 天羽さん、君は騙されているんだ!」

「……北村くんも大変だね。でも……ごめん」

鞠花のわがままに付き合わされてわざわざこんなところまで……同情的な目で一瞥したあと、マグを返却台に置き店を出る。

北村を置いてさっさと帰ろうとした清良だが、入口を出たところで後ろから強く腕を引かれよろめいた。

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