カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「いえ。私はすでに朝食を食べましたので」

「でしたら、せめてコーヒーだけでも! 総司さんの食事が終わるまで、ソファでくつろいでいてください」

真鍋は総司の顔色をうかがうようにちらりと目線を送る。

妻の善意にダメなどと言えるわけもなく、総司は雑に「もらっていけ」と答えた。

キッチンでコーヒーを淹れ始める清良。「私がやります」とキッチンに向かう真鍋だが、「これくらいはやらせてください」と笑顔を向けられ、大人しくソファについた。

しばらくすると清良は、淹れたてのコーヒーとミルクピッチャー、シュガーポットをミニサイズのトレイに載せて、ゆっくりとソファに運んだ。

「それにしても、驚きました。ベテランの方とお伺いしていたので、もっとご年配の方かと思ったら」

おそらく清良からは、真鍋が総司と同世代くらいに見えているのだろう。

コーヒーをローテーブルに置きながら清良が微笑みかけると、当の真鍋は、涼しげな微笑を浮かべノーコメントを貫いた。

まさか言えぬだろう。本当は四十代半ばなどとは。

「清良。言っておくがな」

空のトレイを小脇に抱え帰ってきた清良が、キョトンと首を傾げる。

「そいつの歳、お前より二十は上だからな。充分年配だ」

清良がカチンと凍る。

真鍋は「二十までは開いてません」と若干苛立った様子で目元を引きつらせた。


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