カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「お前も、彼女は俺に相応しくないと思ったのか?」

なんなら本社に着くまで清良の魅力をたっぷりと語り尽くしてやろうか、そしてそれが俺のものであると知らしめてやろう、そう口元を歪ませた総司だが。

「いえ。ワガママな総司さんを上手に乗りこなしてくださる、ぴったりな女性だと思いましたよ」

なぜだか楽しそうに、真鍋は笑う。

「乗りこなす? 手綱を握っているのは俺だ」

「……今にわかりますよ」

人でごった返す都心を抜け、ふたりを乗せた車はオフィスビル群へ差し掛かる。

見えてきたのは五十階建ての巨大高層ビル。城ケ崎ホールディングス本社。

地下駐車場に車を停め、ふたりは役員専用通路から高速エレベーターへ乗り込み、一気に四十八階まで昇る。

役員用の個室が多いこのフロアは、ふかふかとした最高品質の絨毯と、重厚感溢れる絵画やモニュメント、生花などの装飾で飾り立てられている。

総司自身の好みではないが、たまに訪れる賓客は、こうしたコテコテの高級志向に安心感を抱いてくれる。

できれば設備だけでなく、財務分析をした上で投資の可否を判断してほしいものだが。中にはまっとうな判断もできないお飾り重役もいるから悩ましい限りだ。

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