カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
そんなことない、私は大切にされている、そう喉元まで出かかったけれど、声になることはなかった。

本当に? 大切にされている? この空っぽの部屋を見ても、彼と結婚生活をしていると実感できる?

新婚だと浮かれているのは、自分だけではないのか。総司はただ仕事ができれば満足で、清良との生活にこれっぽっちも関心がないのではないか。

こらえていた不安が涙となり、じんわりと視界を滲ませる。

潤んだ瞳を肯定の証と判断した北村が冷笑する。

「なるほどな。それでアイツは、妻が不倫をしていると教えられても、痛くもかゆくもなかったわけだ」

「え……?」

言っていることの意味がわからず清良は眉をひそめる。

北村は清良の両手首を掴み、ベッドに押しつけた。

「つまり。お前の旦那は、お前がどこの誰と遊んでいようとかまわないってことだよ」

両手首を持ち上げられ、片手で押さえつけられる。北村は自由になったもう片方の手で清良の襟元を掴んだ。

「やめて……!」

今度こそ身の危険を感じ取り、全力で抵抗する。が、男の力に敵うわけもなくあっさりと押さえ込まれ――。

「大人しくしろ。誰も助けになんか来ない!」

「いや!!」

「うるさい!」

身をよじらせる清良を鬱陶しげに睨みつけ、北村は力いっぱい襟を開き胸元の衣服を暴いた。

< 167 / 262 >

この作品をシェア

pagetop