カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「……天羽(あまはね)清良と申します」

「鞠花さんとの関係は?」

問われて、少し悩んだ。正直なところ、鞠花と清良の間にあるのは主従関係だが、まさかパシリとも言えない。

何より、口にしてしまったら自分に嫌気が差しそうだ。

「……ちょっと貸し借りのある友人です」

「……面白い言い方をするな。素直に雇われたと言ったらどうだ」

「雇われているわけではないので」

「金銭的な利害関係でないなら……逆らえない何かがあるのだろう。君はどことなく、彼女の存在に怯えているように見える」

彼の眼差しが無遠慮に清良の内側を探りにくる。心の奥底を覗かれているようで、嫌な気分だ。

「何か悪いことでもして、弱みを握られたのか……?」

茶化すような言い方に、清良はムッとして首を横に振る。

悪いことなどしていない。清良が鞠花に逆らえないのは、もっと理不尽な理由だ。

「なら脅されていると? 人質でも取られたか?」

男性は面白半分で口にしたようだが、清良の肩が強張ったのを見て、まさかと口の端を跳ね上げた。

どうやらそれが正解に一番近いようだと察したらしい。

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