カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
清良が呼んだのか、あの男が勝手に来たのかはわからないが……いや、清良が悠長にコーヒーを勧めてきたことを考えると、あの男が来ることを知らなかったのだろう。

もし家に忍び込まれたらという不安が頭をよぎったが、そんなときのためにあの家には厳重なセキュリティが施されている。問題はないはずだ。

騒ぐほどのことではない、そう自分に言い聞かせつつも、どうも嫌な予感がする。

(念のため総司さんに知らせておくべきか……? だが、重要な会議の途中でわざわざ集中力を欠くようなことを教える必要があるだろうか)

事後報告でいいのではないか。どんな事態であるにせよ、彼の性格を考えれば会議を途中で投げ出すとも思えない。

……いや、本当に? これまで、出張中に女性のことなど微塵も気にかけたことのなかったあの男が、毎日毎日うきうきしながら高価なプレゼントを手配するような相手だぞ?

今の彼は未知数だ。

自分の妻が自宅に男を連れ込んでいるかもしれない、そんな報告を受け、いつものように冷静でいられるだろうか。引き続き業務が遂行できると?

(このまましらばっくれることもできるが、もし奥様の身に何かあれば、それこそ仕事に支障が出る可能性が……)

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