カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
思わずクスクス笑う。清良がいなくたってドライフルーツくらい食べていただろう。

だが総司は冗談というわけでもないらしく、真剣な表情で清良を見つめている。

「少なくとも、仕事とドライフルーツという絶妙な組み合わせに気づくことはなかった」

「そんなに絶妙でした?」

「ああ。わざわざ食事をしなくても糖分が補える。チョコレートくらい食べることはあったが、どうも口がしつこくてな」

「……お願いですから、食事はちゃんとしてくださいね?」

この先、総司は手軽なドライフルーツのみで食事を済ませるようになってしまうのではないかと不安になる。

総司は口元に笑みをたたえ、ぽつりと呟いた。

「夫婦とは、特別なものだな」

清良はキョトンと目を丸くする。だが、それがすぐに感謝の言葉だということに気が付いて、小さくこくりと頷いた。

「……はい」

夫婦になれたからこそ見つけられたものがある、きっとそう言ってくれているのだろう。

清良も総司と一緒にいると初めて知ることがたくさんある。

食事を美味しいと言ってもらえる喜びも、ふたりで過ごすのんびりとした時間も。身体を重ねて語り合う、情熱的な愛のやり取りも……。

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