カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
やっとその意図を理解し、恐る恐る舌で舐めとる。

指の先を口に含ませようとする総司がなんだかいやらしくて、これは何かのお仕置きだろうかと勘繰ってしまう。恥ずかしくってしょうがない。

「そ、総司さんも食べませんか? 私ばっかり――」

「いらない。清良が食べているところを見るのが好きなんだ。チョコを口に入れた瞬間の君の表情はまるで――」

続きを耳元で囁かれる。とても人には言えぬ内容、総司しか知らないであろう表情の話だった。清良ですら、そんなときの自分の顔を見たことがない。

頬がボンッと赤く染まった。思わず目を逸らし、顔を伏せる。

「ほら。こっちを向け」

「っ、ダメ、見ちゃダメですってば……」

総司はキャラメルの入ったボンボンショコラを口にくわえ清良の顔を引き寄せると、その唇に押し込んだ。

ふたりの唇が絡み合ったまま、表面の硬いチョコレートの層がカリっと割れ、中からキャラメルが溢れ出てくる。

口から溢れ滴ったキャラメルを、総司は舌先でペロリと舐めとった。

もう清良にはキャラメルが甘いのか総司の唇が甘いのかわからない。

惚けながらその味を堪能していると、総司がクスリと笑みをこぼし「その顔だ」と挑発した。

「今日もいい夜になりそうだ」

総司の眼差しが艶めいている。夫婦の営みはもうすでに始まっているのだと、清良はやっと気がついた。


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