カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「私たちのほうの話は済んでいます。行きましょう」

清良は、鞠花と北村をちらりと見やって、視線を総司に戻した。

これ以上あのふたりと話すことはない。今後二度と会うこともないだろう。

「鞠花さん、私の婚約者がお世話になりました。お父上にも、どうかよろしくお伝えください。それから、ひとつだけお礼を」

総司は最後に一度だけ、鞠花をまっすぐに見て微笑んだ。

嬉しくなって頬を綻ばす鞠花だが、そんな彼女を総司はすぐさま谷底へと突き落とした。

「理由はどうあれ、清良を私の元に遣わせてくだり、ありがとうございました。おかげで真実の愛を見つけることができました」

これは総司の嫌味だろう。社交を怠り替え玉を使ったことを、本当は見抜いていますよと。

凍りつく鞠花をよそに、総司は清良の唇に優しく口づけを落とす。

「……っ!!?」

内心悲鳴を上げていた清良である。が、人前では愛し合っているフリ、そう約束したことを思い出し、これがふたりの日常ですみたいな顔でキスを受け止める。

鞠花は絶望的な顔でふたりを見つめていた。よほどショックだったようだ。

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