カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「口を開けて」

真面目な顔で指示され、渋々清良は彼に向かって口を開く。

こうやって彼に命令されるたびにまいってしまう。

「恥ずかしがらないで。もっと大きく」

そう清良に教授して、深いキスを施す。柔らかくて熱い舌がふたつ、複雑に絡み合って罪深い快楽をもたらす。

罪悪感に苛まれる原因は、愛がないからだろう。ただ、必要だから交わしているだけ。

鞠花に見せつけるため。そして、周囲に仲のいい新婚夫婦だと思わせるため。

「上手になったな、清良。仕込んだかいがあったものだ」

そう言って彼はクスリと笑う。

自然な夫婦に見せるため、様々なことを指導された。腕の組み方、腰の抱かれ方、自然な言葉遣い。そしてキスの仕方。

この先もちょっとずつ、世界を股にかける敏腕ジェットセッターの妻に相応しい振る舞いを仕込まれていくらしい。

「……それとも、その気になったか?」

唇だけでは飽き足らず、総司は清良の胸に手を伸ばす。

清良の胸は、決して大きくはないけれど、総司の手のひらにすっぽりと収まるちょうどいいサイズなのだそう。

「……っ、ダメ、総司さ――」

「残念だな。このあと予定が入っていなかったら、もっと可愛がってやれるんだが」

「っ、何言ってるんですか!」

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