カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「ですから、本社で教育と事務サポートをお願いしようと思っているの。もちろん、給与や役職は、前職にプラスアルファしてご用意するわ。それに、この先も長く勤めることを考えると、現場での肉体労働よりデスクワークのほうが体力的に楽でしょう?」

総司の母親の説明に、清良の両親は深々と頭を下げた。

「私たちのことまで真摯に考えてくださり、本当にありがとうございます」

その言葉が心の底からの感謝だと感じ、清良は安心した。

自分の都合で転職させてしまったことに、少なからず罪悪感を抱いていたからだ。

総司も異論ないようで、チェアに深々と腰かけながら頷く。

「清良のご両親に気持ちよく働いていただけるのであれば、俺からは何もありません」

「充分です。なにからなにまで、本当にありがとうございます」

清良の両親からすると、疑問だらけだろう。

娘が結婚するからといって、わざわざ勤め先を変える必要などない。なのに、なぜか城ケ崎家と院瀬見家が勝手に話し合いを進め、気がつけば退職と再就職の手はずが整っていた。

いろいろと考えを巡らせたに違いないが、聞かないでいてくれている。

清良は城ケ崎家の人々が両親を温かく迎え入れてくれたことにただ感謝するのみだ。

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