カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
「のんびりしていただけるといいんですが……飛行機じゃあそんなにゆっくり休めないでしょうし……」

口にしたあとで、ああファーストクラスか、と思い立った。つい自分の経験からエコノミーの窮屈な座席を想像していた。

広々とした座席でのフライトならのんびり楽しめるだろう。

しかし、総司の口から飛び出したのは、予想のはるか上を行くひと言で。

「これでもかってほど、くつろいでいると思うぞ。自家用機だからな」

「じ、自家用……!?」

まさか本当にプライベートジェットまで所有しているとは。

ジェットセッターという異名は言葉のあやかと思っていたが、これぞ正真正銘の大富豪。桁外れの財力におののく。

「……もしかして、総司さんも今日、自家用機で日本に戻って来たんですか?」

「今日は両親に譲った。だが、使えるときは使う。いつか君も乗るといい」

「……はぁ……」

軽々しく勧められ、どんな状況になったらそんな日が訪れるだろうと頭を捻る。

妻という役割を命じられ、今はその仕事のほとんどがお留守番だけれど、いつか自分も彼とともに海外へ行くことがあるのだろうか。

海外の社交には夫婦同伴も多いと聞く。

一応最低限のマナーは押さえてある清良だが、社交界ともなればまた変わってくるだろう。必要があれば準備をしておかなければ。
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