カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
彼が望む妻とは、『優秀なお留守番』だ。

「寂しい」や「会いたい」を口にして迷惑をかけることのない、お飾りのような奥様だ。

そんな清良の心中を見透かすかのごとく、総司は意味深な微笑をたたえて。

「君を選んで正解だった」

そんな皮肉なひと言を呟く。

「家の中に縛り付けるつもりはない。ご両親のもとへ行ってもかまわない。まぁ、周囲に別居と陰口を叩かれない程度に頼む」

「それは……そうですけど。新婚早々実家に入り浸っては、両親も心配するでしょうし」

「それこそ、俺が出張中だと説明すればいいじゃないか」

「……ですが……」

総司がいつ帰国するかもわからない。いざ帰って来たときに、妻が家にいないのでは、幻滅されそうで。

いや、そもそも、総司は清良に家にいてほしいと考えているのだろうか。いないほうが自由でいいのでは?

「あの……私は、あまり家にいないほうがいいですか?」

辿り着いた自宅の前でリモコンを操作しながら、ロートアイアンの門扉がゆっくりと開いていくのを待っていた総司は、清良のことを二度見して「は?」と声をあげた。

「総司さんは、今までずっとひとりで暮らしてきたわけですから、赤の他人である私なんか近くにいないほうが……」

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