カラダで結ばれた契約夫婦~敏腕社長の新妻は今夜も愛に溺れる~
その瞬間、開いた門に向かって総司がアクセルを踏み込んだ。

身体が前後にぐらりと揺れて、清良は「きゃっ」と小さな悲鳴をあげる。

鉄門をくぐると、緩やかにカーブした細い道が続いていて、やがて広場に抜ける。正面には邸宅の玄関が、脇には大きなガレージがある。

ガレージに車を滑り込ませ、総司はブレーキをかけた。ガクン、と大きな揺れとともに車が止まる。

清良がドキドキする胸を押さえながら総司を見上げると、彼は手慣れた仕草でシートベルトを外した。

「『赤の他人』だなんて、二度と言うな」

ヒヤリとするような圧力と、真剣な眼差し。もしかして、怒っているのだろうか。

総司に顎を持ち上げられ、胸がバクバクとせわしなく音を立てる。

「それから、『私なんか』とも」

彼の顔がゆっくりと近づいてきて、清良の唇をついばんだ。

ちゅっと甘い音を響かせて離れていく。

今のは一体何のキスだろう? 怒っていたわけではないのだろうか。

まるで懐柔するかのような蠱惑的な眼差しが清良に突き刺さる。

「俺と君は契約結婚だが、一生を捧げると誓い合った仲でもある。その覚悟があって婚姻届けに名前を書いた。違うか?」
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