捨てられたはずが、赤ちゃんごと極上御曹司の愛妻になりました
どこか落ち着かない気持ちで昼食を終え、午後三時になる頃。
私はなにかしていないと落ち着かなくて、保存できるおかずを作っていた。
保存袋に入れて、冷凍庫を開いたときにスマホが鳴った。
私は冷凍庫の扉を閉め、作り置きのおかずを調理台に放置して音の鳴るほうへ急ぐ。
「もしもし」
『宇川さん? 連絡が遅くなってごめん。ちょっと会議が長引いて』
まただ。彼が私の名前を口にすると、胸が大きく脈打つ。
「大丈夫です」
私はなるべくゆっくり言葉を返し、こっそりと深呼吸を繰り返した。
彼はほっとした様子で用件を話し始める。
『今日はきみと行きたい店があって。フレンチなんだけど、そこでもいいかな。実はもう予約は済んでいるんだ』
「あ、はい。もちろんです。佐渡谷さんのお好きなところで」
『ありがとう。それで悪いんだけど七時頃に恵比寿まで出て来れる? 本当は自宅まで迎えに行きたいところなんだが、どうしても間に合わないと思うから』
自宅まで迎えだなんて、と私は電話にもかかわらず、大きく首を横に振った。
「いえ! 迎えなんて結構ですから。恵比寿駅でいいんですよね? 大丈夫ですよ。最寄り駅から乗り換えなしで行けます」
駅まで歩くのを計算に入れても、三十分から四十分くらいで行けるはず。毎日通勤で同じくらい移動しているし、全然苦じゃない。
『そっか。助かるよ。じゃあ、あとで。駅までは迎えに行けるから』
「はい。のちほど」
通話を終えて、「ふー」と息を吐く。気づけば手に汗をかいていた。
「七時、か。あと約四時間後……」
かけ時計を見て、四時間後を考える。途端に緊張が高まってきて、無意味に狭い部屋をうろうろし始めた。
はた、と足を止め、クローゼットに顔を向ける。
今朝、一度クローゼットを開けたけど、結局まだなにを着ていくか決めていない。
さっき佐渡谷さんは、フレンチの店って言ってた。じゃあやっぱり、綺麗めな格好がいいよね。……そんないい服あったかな。
いまさら服がない、なんてなってもどうにもできない。
私は内心少し焦りながら、夢中になってクローゼットの服を確認した。
私はなにかしていないと落ち着かなくて、保存できるおかずを作っていた。
保存袋に入れて、冷凍庫を開いたときにスマホが鳴った。
私は冷凍庫の扉を閉め、作り置きのおかずを調理台に放置して音の鳴るほうへ急ぐ。
「もしもし」
『宇川さん? 連絡が遅くなってごめん。ちょっと会議が長引いて』
まただ。彼が私の名前を口にすると、胸が大きく脈打つ。
「大丈夫です」
私はなるべくゆっくり言葉を返し、こっそりと深呼吸を繰り返した。
彼はほっとした様子で用件を話し始める。
『今日はきみと行きたい店があって。フレンチなんだけど、そこでもいいかな。実はもう予約は済んでいるんだ』
「あ、はい。もちろんです。佐渡谷さんのお好きなところで」
『ありがとう。それで悪いんだけど七時頃に恵比寿まで出て来れる? 本当は自宅まで迎えに行きたいところなんだが、どうしても間に合わないと思うから』
自宅まで迎えだなんて、と私は電話にもかかわらず、大きく首を横に振った。
「いえ! 迎えなんて結構ですから。恵比寿駅でいいんですよね? 大丈夫ですよ。最寄り駅から乗り換えなしで行けます」
駅まで歩くのを計算に入れても、三十分から四十分くらいで行けるはず。毎日通勤で同じくらい移動しているし、全然苦じゃない。
『そっか。助かるよ。じゃあ、あとで。駅までは迎えに行けるから』
「はい。のちほど」
通話を終えて、「ふー」と息を吐く。気づけば手に汗をかいていた。
「七時、か。あと約四時間後……」
かけ時計を見て、四時間後を考える。途端に緊張が高まってきて、無意味に狭い部屋をうろうろし始めた。
はた、と足を止め、クローゼットに顔を向ける。
今朝、一度クローゼットを開けたけど、結局まだなにを着ていくか決めていない。
さっき佐渡谷さんは、フレンチの店って言ってた。じゃあやっぱり、綺麗めな格好がいいよね。……そんないい服あったかな。
いまさら服がない、なんてなってもどうにもできない。
私は内心少し焦りながら、夢中になってクローゼットの服を確認した。